<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 哀江頭>
<Format: 樂府詩>
<Year: 2000>
<BookName: 校注唐詩解釈辞典>
<Translator: 松浦友久>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 哀江頭（あいかうとう）>
<BookPage: 268-277>
<UsedPage: 10>
<Feature: 1, 2, 4>
<End Header>
<Poem>
少陵野老吞聲哭，
春日潛行曲江曲。
江頭宮殿鎖千門，
細柳新蒲爲誰綠。
憶昔霓旌下南苑，
苑中萬物生顏色。
昭陽殿裏第一人，
同輦隨君侍君側。
輦前才人帶弓箭，
白馬嚼齧黃金勒。
翻身向天仰射雲，
一箭正墜雙飛翼。
明眸皓齒今何在，
血污遊魂歸不得。
清渭東流劒閣深，
去住彼此無消息。
人生有情淚霑臆，
江水江花豈終極。
黃昏胡騎塵滿城，
欲往城南忘南北。
<End Poem>
<Translation>
少陵の田舎じじいは声も出さずに泣いて、春の日に、曲江池のくまのあたりを人知れずさまよい歩く。池のほとりの宮殿は多くの門を$ひっそりと$閉ざし、かぼそい枝の柳や、芽ぶいた浦は$宮殿の主を失ったいま$一体、誰のために緑をよそおっているのか。思い出せば、昔、天子の虹のような御旗がこの南苑$芙蓉苑$ に下降されたとき、芙蓉苑のあらゆるものが生き生きと色めいていた。昭陽殿の第一の人$といわれた漢の趙飛燕にも比すべき楊貴妃)$は、御車を同じくして天子に付き随って、その側にはべっていた。
御車の前の才人$女官$は弓矢を携え、白馬は黄金の勒をかみしめる。$才人が$身をのけぞらせ空に向かって雲を射れば、ひと矢であやまたずにつがいの鳥を射落とした。
$しかし$かの明眸皓歯のひと$楊貴妃$は、いまどこにいるのか。かのひとの血に汚されたさまよう魂は、$この長安なる南苑に$帰ることもできないでいる。清らかな渭水は東に流れ、剣閣の道は 険しく深い。$死んで渭水のほとりに$とどまるひとと、$剣閣の南へと落ちて$ゆかれたひととは、消息もたがいに途絶えてしまった。
人と生まれれば僕どいうものがあって、涙が流れて胸をらるおすのに、$しかし世の乱れを知らぬ無情の$曲江池の水と花ばかりは、結局尽きはてることもないであるう。夕暮れどき、胡の騎兵の$舞いあげる$塵がまちいっぱいにたちこめる。$そのとき$まちの南に行こうとしたが、どちらが南か北か、わからなくなってしまった。
<End Translation>
<Formatted Translation>
少陵の田舎じじいは声も出さずに泣いて、
春の日に、曲江池のくまのあたりを人知れずさまよい歩く。
池のほとりの宮殿は多くの門を$ひっそりと$閉ざし、
かぼそい枝の柳や、芽ぶいた浦は$宮殿の主を失ったいま$一体、誰のために緑をよそおっているのか。
思い出せば、昔、天子の虹のような御旗がこの南苑$芙蓉苑$ に下降されたとき、
芙蓉苑のあらゆるものが生き生きと色めいていた。
昭陽殿の第一の人$といわれた漢の趙飛燕にも比すべき楊貴妃)$は、
御車を同じくして天子に付き随って、その側にはべっていた。
御車の前の才人$女官$は弓矢を携え、
白馬は黄金の勒をかみしめる。
$才人が$身をのけぞらせ空に向かって雲を射れば、
ひと矢であやまたずにつがいの鳥を射落とした。
$しかし$かの明眸皓歯のひと$楊貴妃$は、いまどこにいるのか。
かのひとの血に汚されたさまよう魂は、$この長安なる南苑に$帰ることもできないでいる。
清らかな渭水は東に流れ、剣閣の道は 険しく深い。
$死んで渭水のほとりに$とどまるひとと、$剣閣の南へと落ちて$ゆかれたひととは、消息もたがいに途絶えてしまった。
人と生まれれば僕どいうものがあって、涙が流れて胸をらるおすのに、
$しかし世の乱れを知らぬ無情の$曲江池の水と花ばかりは、結局尽きはてることもないであるう。
夕暮れどき、胡の騎兵の$舞いあげる$塵がまちいっぱいにたちこめる。
$そのとき$まちの南に行こうとしたが、どちらが南か北か、わからなくなってしまった。
<End Formatted Translation>